介護施設

専門的な認知症ケアを提供!グループホームとは?費用や働くメリット、有料老人ホームとの違いなどを徹底解説

グループホームは、さまざまな種類のある介護の施設形態のひとつ。
正式名称を「認知症対応型共同生活介護」といい、認知症の方が介護スタッフのサポートを受けながら、少人数で共同生活をする介護事業所です。

経験豊富な介護スタッフから専門的な認知症ケアを受けられるため、認知症高齢者は安心できる環境下で暮らせます。
認知症の方を対象とした事業所のため、日々の声かけからレクリエーションまで至るところで認知症の方に配慮したケアを取り入れているグループホーム。働く介護職員にとっては専門的な認知症ケアの学びが得られる職場です。

この記事では、グループホームで働きたい人や入居したい人が知りたい、サービス内容や費用、入居基準、メリット・デメリット、有料老人ホームとの違いなどを詳しく解説します!

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グループホームとは

 

グループホームとは、認知症の高齢者が介護スタッフによる専門的なケアを受けながら、少人数で共同生活をする介護福祉事業所です。
住み慣れた地域で生活することを目的とした「地域密着型サービス」のひとつで、正式名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。

介護保険法第8条第28項では、以下のように定義されています。

「認知症対応型共同生活介護」とは、要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。
出典:介護保険法

つまり、利用者の残っている能力を活かしながら入浴や排せつなどの身体介護を行い、可能な限り家庭に近い環境で生活する支援をしています。

グループホームでは、介護スタッフのサポートのもと5~9名のユニット(小グループ)単位で、共同生活を送ります。ひとつのグループホームで、ユニットはふたつまで。
他の介護施設などと比べて比較的規模が小さいため、多くのグループホームは住宅地から近い場所にあり、近隣住民と交流をしながら暮らせるという特徴があります。

介護職がグループホームで働くメリット・デメリット

グループホームで働く介護職にとって、どのようなメリットやデメリットがあるのかみていきましょう。

認知症ケアの専門的な知識や経験、対応力が得られる

  • 認知症ケアの知識が身につく
  • マニュアル化されていない日々の業務が多く、対応力が身につく
  • 身体介護の負担が少ない

グループホームの特徴は、なんといっても専門的な認知症ケアを提供していることです。利用者はみな認知症患者。調理や掃除などの家事を手伝ったり、認知症ケアに適したレクリエーションを行ったりするため、必然的に認知症ケアの知識が身につきます。
また、小規模でアットホームなケアを目的とするグループホームでは、マニュアル化されていないケアも多いです。何時になったら排せつ介助をする、というよりは、利用者にあわせた介護を流動的に行うため、対応力が身につきます。
オムツ交換や移乗介助といった重労働の介護よりも、見守りや声かけなどの身体的負担の少ない介護のほうが多い特徴があります。

認知症の知識や家事スキルなどが必要とされる

  • ある程度の認知症ケアの知識や忍耐力が必要
  • 料理や掃除などの家事スキルが必要
  • 給料が低い傾向にある

認知症ケアは、認知症でない人の介護と比べて、特有の症状などの専門的知識が必要になります。意思疎通が難しく、ケアが思い通りにいかないことも多いため、忍耐力も必要になるでしょう。
グループホームでは、利用者といっしょに介護スタッフも調理や掃除などの家事を行います。介護スタッフは利用者をサポートする立場であるため、ある程度の家事スキルが求められるでしょう。
また、厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、グループホームの常勤スタッフの平均月額賃金は269,920円(※)でした。基本的に夜勤をしない通所介護(デイサービス)の常勤月額平均264,790円(※)とあまり差がなく、夜勤のある介護施設のなかでは、比較的低い賃金といえます。

※厚生労働省の月額算出方法:基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)
出典:【2018年最新版】介護職員の給料、一番月給が高い施設形態はどこだ?

グループホームに入居するメリット・デメリット

つぎにグループホームに入居する利用者にとって、どのようなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。

認知症ケアを受けながらアットホームな環境で暮らせる

  • 専門的な認知症ケアが受けられる
  • 小規模でアットホームな環境で生活できる
  • 住み慣れた地域を離れずにすむ
  • 支援を受けながら共同生活ができる

グループホームは認知症の方しか入居できないため、経験豊富なスタッフによる専門的な認知症ケアを受けることができます。適切な声かけやサポートは、認知症の進行を緩和することもあるため、魅力のひとつです。
認知症の方は、さまざまな変化のある環境にいることがストレスとなる人が多い傾向にあります。小規模でアットホームな環境で生活できるグループホームでは、安心して過ごすことができるでしょう。
また、グループホームの入居条件には、希望するグループホームのある地域の住民票が必要となるため、住み慣れた地域を離れる必要がありません。家族や地域の人と引き続き交流できる環境で生活できます。
スタッフの支援を受けながら買い物や調理などの家事を行うグループホームでは、一人ひとりに役割があるため、活き活きとした生活を送れるでしょう。

医師・看護師の配置義務がないので、医療体制に不安面も

  • 定員や事業所数が少ないため、入居までの待期期間が必要
  • 医療体制が整っていないところが多い
  • 機械浴など、重度者に対応する設備が充実していない

グループホームは、特別養護老人ホーム特養や有料老人ホームと比べると事業所数も少なく、最大定員も18名と入居できる人に限りがあります。そのため、空き居室が少なく待期期間が必要となるケースも多いでしょう。
また、グループホームでは、医師・看護師の配置義務がありません。利用者の健康管理は介護職が担っている事業所も多いため、対応できない医療ニーズが出てくると退去となるケースもあります。
グループホームでは自立支援を目的としたサポートを行っているため、基本的に寝たきりなどの重度者の受け入れはしていません。そのため、浴室などで重度者に対応した設備が整っていない傾向にあります。

利用する場合の入居条件は?

グループホームに入居する条件は、3つあります。

  1. 認知症の症状があること
  2. 要支援2以上の認定を受けていること
  3. 希望するグループホームと同じ市区町村に住民票があること

①認知症の症状があること

1つめの条件は、医師による認知症の診断を受けていること。
ただし、不安定・重度化した症状などによって共同生活に適さない場合は、入居できない可能性があります。

②要支援2以上の認定を受けていること

2つめの条件は、要支援2以上の要介護認定を受けていること。
自立や要支援1の方は利用できません。

③希望するグループホームと同じ市区町村に住民票があること

3つめの条件は、入居を希望するグループホームと同じ市区町村に住民票があること。
グループホームは地域密着型サービスなので、原則としてそのグループホームのある市区町村の住民である必要があります。

いくら必要?グループホームにかかる費用

グループホームの費用は、前払い金などの「初期費用」と入居後にかかる「月額費用」の2種類があります。

初期費用

入居時にかかる初期費用は、事業所によって異なります。
初期費用が全くかからないところから、敷金や保証金などの前払い金が必要なところまで、さまざまです。前払い金の償却の有無についても、事業所によって異なります。

月額費用

入居後にかかる月額費用は、介護サービス費と日常生活費があります。

介護サービス費は、ユニット(共同生活住居)数や要介護度によって異なります。
たとえば、2ユニットあるグループホームに要介護度1の方が入居した場合、1日あたりの介護サービス費は747円、月額費用は22,000~23,000円となります。
介護報酬の加算を取得している事業所であれば、上記の金額に取得している加算分の費用がプラスされます。
※上記の金額は1割負担の方の場合です。一定以上の所得がある方は2割もしくは3割負担となります。

グループホームの費用のめやすについては、厚生労働省『どんなサービスがあるの? – 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)』を参考にしてください。

日常生活費には、賃料、食費、光熱費、理美容代、オムツ代などがあり、費用の名称や金額は、事業所によって異なります。
介護サービス費とは別の費用であることを、認識しておきましょう。

ユニットは2つまで!施設基準

グループホームの施設基準は以下の通りです。

定員 1事業所あたり2ユニットまで
1ユニットあたり5人以上9人以下
全体の利用者数は4人以上18人以下
居室 部屋タイプは個室または準個室(原則個室)
居室面積は7.43平方メートル以上
共有設備 居間、食堂、台所、浴室などの生活に必要な設備を設けること
立地 住宅地など家族・地域住民と交流の機会がある地域

1事業所あたりのユニット数は、2ユニットまで設けられます。
1ユニットあたりの定員は、5人以上9人以下。つまり、グループホームの定員は、最大で18名となります。
利用者は原則個室(ユニット型個室)で生活します。居室の広さは、7.43平方メートル(およそ和室4.5畳)以上と定められています。
グループホームは、居室のほかに、居間、食堂、台所、浴室、トイレ、洗面など日常生活に必要な設備を備えている必要があります。
地域住民と交流をはかるために、住宅地など家族・近隣住民と交流できる場所に建てる必要があります。

認知症高齢者の自立支援が目的!配置義務

グループホームの人員配置は以下の通りです。

介護従業者 日中:利用者3人に1人(常勤換算)
夜間:夜勤1人
計画作成担当者 ユニットごとに1人
(最低1人は介護支援専門員)
管理者 3年以上認知症の介護従事経験のある者が常勤専従
医師・看護師 配置義務なし

介護スタッフは、日中なら利用者3人に1人以上(常勤換算)、夜勤は1人以上を配置し、24時間常駐する義務があります。
各ユニットには介護サービス計画の作成担当者として、1人以上の介護支援専門員(ケアマネジャー)の配置が必要です。
管理者は、3年以上の認知症介護に従事した経験がある人が、常勤で勤務する必要があります。
医療・看護スタッフの配置は、義務付けられていません。グループホームは認知症高齢者の自立支援・精神的安定を目的とした介護を提供する事業所のため、基本的に医療ケアを必要とする人を対象としていないからです。

アットホームな環境でケアを提供!サービス内容


 
グループホームのサービス内容は、介護保険法第8条第20項に定義されている通り「入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活の世話及び機能訓練」を行います。

身体介護や機能訓練(リハビリ)以外には、買い物や調理など介護スタッフといっしょに行う家事やレクリエーションなど、家庭的な環境で日常生活を支援するサービスを提供しています。

また、グループホームによっては、地域住民への相談支援や認知症サポーター養成講座などの認知症の啓もう活動、認知症カフェなども提供しています。

医療体制は事業所によって異なる

グループホームでは医療や看護スタッフの配置が義務付けられていないため、医療体制は事業所によって異なります。

2018年3月に発表された厚生労働省の資料「認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査究事業(結果概要)(案)」によると、
看護師がいる事業所は36.7%、准看護師は18.4%、認定特定行為業務従事者は10.3%、医療的ケアを実施できる介護福祉士は7.7%でした。

看護師または准看護師を配置している事業所で常勤の割合をみてみると、看護師の常勤は14.7%と、半数以下に、准看護師も10.7%と、半数近く減っています。
看護職員を配置しているグループホームの67.3%は、原則として看護職員の夜勤・宿直は行っていないことも調査でわかりました。

事業所によって差はありますが、医療体制が整っていない事業所も少なくなく、医療ニーズに対応できなかったことを理由に退去となるケースもあります。医療ニーズへの対応不足や長期入院によって退去したケースは、退去者数全体の3割を占めます。

しかしながら、事業所内ではなく、病院や訪問診療、訪問看護ステーションと提携するなど、外部サービスを活用して医療体制を整えている事業所も増えています。

増加する看取り対応を行うグループホーム

グループホームでは、利用者の平均要介護度が重度化していることや、看取りを希望する利用者家族が増えていることを背景に、看取り介護のニーズが高まっています。

2014年11月に発表された厚生労働省の資料『認知症対応型共同生活介護の報酬・基準についてに(案)』よると、看取り対応を行っているグループホームは、全体の5割を超えています。

2009(平成21)年からはじまった看取り介護加算が後押しとなり、看取り対応を行う事業所は増えています。加算を取得する事業所では、看護師を雇ったり、主治医や訪問看護師などと連携を取ったりして、その人らしさを尊重した看取りができる体制を整えています。

しかし、看取り対応を行っていないグループホームでは、看取り介護・ターミナルケアが必要になると、退去となるケースもあります。

グループホームと有料老人ホームの違い

グループホームのほかにも、認知症の高齢者が利用できる介護施設のひとつに有料老人ホームがあります。では、グループホームと有料老人ホームにはどのような違いがあるのでしょうか。

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両者の特徴をあげてみると、以下のようになります。

有料老人ホーム グループホーム
全体的な特徴 高齢者全般を対象とする施設。医療体制や特色、規模などは施設によって異なる 軽度~中度の認知症高齢者を対象する施設。定員数は最大18人で、小規模でアットホームな雰囲気
運営母体 主に民間企業 社会福祉法人が最も多く、民間企業や医療法人、NPO法人など、さまざまな法人が運営している
入居条件 基本的に「自立から要介護5まで」の人を対象としており、条件は施設によって異なる 認知症の診断があり、要支援2以上で、事業所のある地域に住民票がある人
費用 初期費用:0~数千万円
月額費用:20~40万円
初期費用:0~100万円
月額費用:10~30万円
待機期間 入居条件がやさしく、施設数と定員数が多いため、待機期間が必要なところは少ない その地域の住民票が必要など入居条件が厳しく、事業所数と定員数も少ないため、待機期間が必要なところも多い

全対象の有料老人ホームと認知症専門のグループホーム

有料老人ホームは、ほとんどの高齢者を対象としており、特色やコンセプトなどは施設によって異なります。バリエーション豊かな施設があるため、自分にあった施設を選ぶことができます。
一方グループホームは、軽度~中度の症状のある認知症高齢者を対象としています。規模が小さく、アットホームな雰囲気でスタッフの支援のもと共同生活をします。

グループホームの運営はさまざまな法人が担っている

有料老人ホームの運営母体は、ほとんどが民間企業であるのに対し、グループホームは民間企業のほかに、社会福祉法人や医療法人、NPO法人など、さまざまな法人が運営しています。

グループホームは入居条件が多い

有料老人ホームは、自立から要介護5までの高齢者全般を対象としている施設です。入居条件は、施設によって異なり、「自立から要介護5まで」のところもあれば「要支援1から要介護5まで」のところもあります。
グループホームは、認知症高齢者の精神的安定や自立支援を目的とした支援をする事業所です。入居条件は、原則認知症の診断があり、要支援2以上で、事業所のある地域に住民票がある方と定められています。

グループホームは安価に利用できるところも多い

費用の大きな違いは初期費用にあります。
有料老人ホームの初期費用は、高いところで数千万円かかります。一方グループホームの初期費用は高くても100万円程度。月額費用をみても有料老人ホームよりグループホームのほうが安価なところが多いです。

グループホームは待機期間が長くなる傾向あり

有料老人ホームの入居条件は少ないうえに、施設数と定員数が多いため、比較的入居しやすい施設です。そのため、待機期間が必要なところは少ないといえます。
グループホームには「その地域の住民票が必要」などの入居条件があるうえに、施設数と定員数が少ないため、入居できる人に限りのある事業所です。そのため、待機期間が必要なところも多いでしょう。

参考文献
厚生労働省『どんなサービスがあるの? – 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
厚生労働省『認知症対応型共同生活介護の概要

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