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行政で働く福祉職!社会福祉主事とは?仕事内容や資格取得の方法、社会福祉士との違いを解説

都道府県・市区町村などの福祉事務所や各種相談所で公務員として特定の業務につくときに必要な資格が社会福祉主事の任用資格です。

社会福祉主事の任用資格があると、行政機関でケースワーカーや老人福祉指導主事、各種相談所で知的障害者福祉司や児童福祉司、社会福祉施設で施設長や生活指導員などの職種に就いて活躍できる可能性があります。

とくに行政機関に就職するときにその効力を発揮する社会福祉主事の任用資格。
公務員として福祉に携わりたい方は必見の資格です。

この記事では、社会福祉主事の資格取得の方法や活躍の場、社会福祉士との違いなどを徹底解説します!

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社会福祉主事(社会福祉主事任用資格)とは

社会福祉主事とは、福祉事務所や各種相談所で公務員として特定の業務につくときに求められる資格(任用資格※)です。ケースワーカーとして、高齢者、児童、心身障害者、生活困窮者などに対して、相談や指導、援助の業務に携わります。

社会福祉主事は、都道府県や市町村の福祉事務所に設置が義務付けられており、福祉事務所のない町村での設置は任意です。

福祉事務所などで公務員として働くときに効力を発揮する「社会福祉主事」ですが、民間の社会福祉施設の職種に求められる資格としても準用されています。

※任用資格とは、行政分野で特定の職業や職位に任用されるための資格です。国家資格のように、取得すれば職業として認められるのではなく、取得後、該当の職務に任用されることで効力を発揮します。

5つのルートから!社会福祉主事任用資格の取得方法

社会福祉主事の任用資格を取得するには、下記の5つのうちのどれかに該当する必要があります。

社会福祉主事任用資格の取得方法
  1. 大学や短大において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を3科目以上修めて卒業していること
    (学校教育法が定めている大学であれば、大学の種類や学部は問われない)
  2. 通信教育で資格認定通信課程を修了していること<通信1年>
  3. 厚生労働大臣の指定した専門学校で22科目の過程を修了していること<1500時間>
  4. 都道府県の講習会で19科目を修了していること<279時間>
  5. 社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を保持していること

社会福祉主事任用資格は社会福祉士や精神保健福祉士のような国家試験などはありませんが、実際に公務員試験を突破し公務員として働いてはじめて「社会福祉主事」と名乗ることのできる資格です。
なお、社会福祉法第19条では、社会福祉主事は「20歳以上の高潔な人格で、思慮が円熟しており、社会福祉の増進に熱意があること」も必要だとされています。

大学・短大卒業生は要チェック!「厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目」とは

大学・短大の卒業生は、社会福祉主事任用資格の取得方法①にある「厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目」を3つ以上履修すれば、社会福祉主事任用資格が取得できます。
そこで「厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目」とは、なんだろう?と思う方も多いでしょう。実は、その科目、時代の流れとともに変化していきました。

下記では、その時代で認められる科目を、時代の流れにそって紹介します。
大学・短大を卒業した方は、自分の卒業年の項目から、該当する科目が3つ以上あるかどうか確認してみてください。

昭和25年~昭和56年卒業者が対象!社会福祉に関する科目

社会事業概論、社会保障論、社会事業行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、児童福祉論、社会学、心理学、社会事業施設経営論、社会事業方法論、社会事業史、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論、修身

昭和56年~平成11年卒業者が対象!社会福祉に関する科目

社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、精神薄弱者福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉事業方法論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論

平成11年~平成12年卒業者が対象!社会福祉に関する科目

社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、知的障害者福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉事業方法論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論

平成12年~現在までの卒業者が対象!社会福祉に関する科目

社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政論、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、家庭福祉論、知的障害者福祉論、精神障害者保健福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉援助技術論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会福祉調査論、医学一般、看護学、公衆衛生学、栄養学、家政学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、法学、民法、行政法、医療社会事業論、リハビリテーション論、介護概論

出典:厚生労働省『ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法

「自分の卒業年度」以外の指定科目は対象外となります。
また、専門学校で履修した科目も、認められていませんので気を付けましょう。

指定科目として認められる!読替えができる科目とは

「厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目」は、原則として大学・短大で履修した科目の名称と一言一句同じである必要があります。

ただし、指定科目の名称以外でも指定科目として認められる「読替え」の範囲が規定されています。この読替えの範囲としてあげられる科目を履修していれば、指定科目として認められます

読替えの範囲は下記のとおりです。

科目名 読替えの範囲
社会福祉概論 社会福祉、社会事業、社会保障制度と生活者の健康、現代社会と福祉
社会福祉事業史 ①社会福祉事業史、社会福祉発達史、社会事業史、社会福祉の歴史
②日本社会福祉事業史と西洋社会福祉事業史を履修していること
社会福祉援助技術論 ①社会福祉援助技術、社会福祉方法、社会事業方法、ソーシャルワーク、相談援助
②相談援助の基盤と専門職及び相談援助の理論と方法の2科目
社会福祉調査論 社会調査統計、社会福祉調査、社会福祉統計、社会福祉調査技術、ソーシャルリサーチ、福祉ニーズ調査、社会調査の基礎、社会調査
社会福祉施設経営論 社会福祉施設経営、社会福祉施設運営、ソーシャルアドミニストレーション、社会福祉管理、社会福祉管理運営、福祉サービスの組織と経営
社会福祉行政論 社会福祉行政、社会福祉行財政、福祉行財政、社会福祉法制、社会福祉法、社会福祉計画、ソーシャルプランニング、福祉行財政と福祉計画
社会保障論 社会保障、社会保障制度と生活者の健康、社会保障制度
公的扶助論 公的扶助、生活保護、生活保護制度、低所得者に対する支援と生活保護制度
児童福祉論 ①児童福祉、児童家庭福祉、子ども家庭福祉、こども家庭福祉
②児童・家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度並びに家庭福祉論及びその読替の範囲に含まれる科目のいずれかの2科目
家庭福祉論 ①家庭福祉、母子福祉、母子寡婦福祉、婦人保護、ファミリーサポート、家族援助
②児童・家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度並びに児童福祉論及びその読替の範囲に含まれる科目のいずれかの2科目
保育理論 保育
身体障害者福祉論 ①身体障害者福祉
②障害者福祉、障害福祉、心身障害者福祉、障害児(・)者福祉
(身体障害者福祉と知的障害者福祉を含んでいるものに限っては身体障害者福祉と知的障害者福祉の2科目に該当する。)
知的障害者福祉論 ①知的障害者福祉
②障害者福祉、障害福祉、心身障害者福祉、障害児(・)者福祉
(身体障害者福祉論と知的障害者福祉論の内容を全て含んでいるものに限っては身体障害者福祉論と知的障害者福祉論の2科目に該当する。)
精神障害者保健福祉論 精神障害者保健福祉、精神保健福祉、精神衛生、精神保健、精神医学、精神障害者福祉
老人福祉論 老人福祉、高齢者福祉、高齢者保健福祉、高齢者に対する支援と介護保険制度
医療社会事業論 医療社会事業、医療福祉、医療ソーシャルワーク
地域福祉論 地域福祉、協同組合、コミュニティ(ー)ワーク、コミュニティ(ー)オーガニゼーション、地域福祉の理論と方法、コミュニティ(ー)福祉
法学 法律学、基礎法学、法学入門
民法 民法総則、民法入門
行政法
経済学 経済、基礎経済、経済学入門
社会政策 社会政策、労働経済
経済政策
心理学 心理、心理学理論と心理的支援、心理学入門
社会学 社会理論と社会システム、社会学入門
教育学 教育、教育学入門
倫理学 倫理、倫理学入門
公衆衛生学 公衆衛生、公衆衛生学入門
医学一般 ①医学知識、医学、医学入門、一般臨床医学、人体の構造と機能及び疾病、人体の構造(・)機能(・)疾病
②人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと回復の促進を履修していること
リハビリテーション論 リハビリテーション、リハビリテーション医学、リハビリテーション入門
看護学 看護、基礎看護、看護学入門
介護概論 介護福祉、介護、介護知識、介護の基本、介護学入門
栄養学 栄養、栄養指導、栄養(・)調理、基礎栄養学、栄養学入門
家政学 家政、家政学入門

出典:厚生労働省『ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法

科目名の末尾に「I」、「II」がついて複数の科目に区分されていても、区分された科目すべてを履修していれば、その指定科目を履修したと認められます。

大学・短大によっては、厚生労働省に申請をして個別の承認を得たうえで、学校独自の名称で開講していることもあるため、名称が一致しない場合もあります。個別の名称に関しては卒業した学校に確認しましょう。

現役介護職は要チェック!通信で受けられる養成講座とその費用

現役介護職が資格取得を目指すなら、取得方法②の通信教育で1年間学ぶことで資格を取得できます。
通信教育の養成講座は、基本的に現役の介護職が社会福祉主事を目指すための講座です。
下記では、通信教育の養成講座について紹介します。

通信教育の養成講座について
受講対象者 社会福祉事業の届出をした施設・事業所、あるいは介護保険法に基づく介護保険事業者の指定を受けた施設・事業所に従事していること(受講期間中に退職すると、退学となる)
期間 1年間
レポート提出 約20本
スクーリング日数 約5日間
費用 8~13万円程度

講座のスケジュールや費用などは、通信教育の養成講座を提供する大学によって異なります。
詳しくは、希望の大学のHPや窓口で確認してみてください。

現役公務員は要チェック!都道府県の講習会とその費用

現役公務員が資格取得を目指すなら、取得方法④の都道府県の講習会を修了すると、社会福祉主事の任用資格が取得できます。
都道府県の講習会は、基本的に現役公務員が社会福祉主事を目指すための講習会です。
下記では、東京都の資格認定講習を例に紹介します。

東京都の資格認定講習について
受講対象者 都道府県又は市区町村の職員で、社会福祉行政および社会福祉事業に従事している者。(国家公務員を含む)
社会福祉事業団などの、関係団体等(民間社会福祉施設や社会福祉協議会など)に出向している公務員、および一部事務組合職員も対象
期間 1年間
学習内容 ①通信授業(自宅学習)、②面接授業(スクーリング)、③修了テスト
スクーリング日数 4日間
費用 68,900円(消費税等込額。テキスト・教材費、面接授業料、添削指導料含む)

講習会のスケジュールや費用などは、都道府県によって異なる場合があります。
詳細は、希望の都道府県へ確認ください。

そのほか、取得方法③の専門学校で22科目履修したり、取得方法⑤の社会福祉士・精神保健福祉士の資格を保有していたりすると、社会福祉主事の任用資格が取得できます。

自分に合った取得方法を確認してみてください。

どうすれば証明できる?資格の証明方法

社会福祉主事の任用資格は、一般的に資格証明書や合格証明書がないため、卒業証明書や成績証明書で資格の証明となります。
ただし、大学・短大によっては、「資格取得証明書」または「資格取得見込み証明書」を発行しているところもありますので、卒業した学校に確認をしてみましょう。

行政から福祉施設まで!社会福祉主事の活躍の場

社会福祉主事の任用資格が必要な職種には、主に下記のようなものがあります。

福祉事務所や各種相談所などの行政機関で活躍する

ケースワーカー、ケースワーカーを指導する査察指導員、老人福祉に関する情報提供や調査を行う老人福祉士指導主事、母子家庭の生活に助言を行う母子自立支援員(母子相談員) など、活躍できる職種は多岐にわたります。
対象者に対して面接や訪問を行い、関係機関と連携しながら生活指導や自立支援などを行います。
そのほか、社会福祉主事の任用資格以外にも必要な要件がある職種もあるので紹介します。

  • 家庭児童福祉主事、家庭相談員、児童福祉司:児童福祉事業に2年以上従事など
  • 知的障害者福祉司:知的障害者福祉事業に2年以上従事など
  • 身体障害者福祉司:身体障害者福祉事業に2年以上従事など

上記の職種として働くには、各自治体の公務員として採用される必要があるため、地方公務員試験を受けて合格しなければなりません

高齢者や障害者、児童施設で活躍する

公務員以外でも、特別養護老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設、児童養護施設などの童福祉施設、精神障害者社会復帰施設などの障害者施設などで、施設長生活相談員として働く場合、応募資格として社会福祉主事があげられているところもあります。

社会福祉士との違いは、資格の種類

社会福祉主事と同様に、社会福祉士も福祉の現場で、高齢者や障害者、生活困窮者の相談を受けたり、サポートをしたりします。

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共通点が多い資格ですが、その大きな違いは「資格の種類」です。
社会福祉士は、国家試験に合格後、登録をして名乗ることができる「国家資格」です。社会福祉士の受験には一定の要件を満たしている必要があるうえに、合格率は3割程度と、難易度の高い資格といえます。
また、社会福祉士に合格すると、社会福祉主事の任用資格があるとみなされます。

一方で社会福祉主事は、公務員として特定の業務につくときに必要とされる「任用資格」です。大学・短大で特定の科目を3科目以上修めているか、通信教育などで決められた課程を修了するといった方法で取得できるため、国家試験などの受験はありません。

また、社会福祉主事から社会福祉士の資格を取得するというステップアップの道もあります。そのため、社会福祉分野のプロフェッショナルとして学ぶ、はじめの一歩と考えることもできます。

社会福祉主事は、高齢者だけでなく障害者や児童などを対象に広く活躍できる資格です。介護職の方がより広く社会福祉に携わりたい場合には、社会福祉主事を目指してみるものいいかもしれませんね。

参考文献・サイト

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