介護の悩み

4人に1人が「介護うつ」。利用者ご家族の負担を減らそう

介護うつ――。介護に関わる人なら、一度は耳にしたことがありますよね。介護うつとは、介護により悩みやストレスから、うつ状態に陥ること。2005年の厚生労働省の調査では、自宅で介護をしている人の4人に1人は介護うつという結果も出ており、年々増加傾向にあると言われています。
利用者さんのご家族にも悩んでいる方がいるかもしれません。利用者さんだけでなく、介護者であるご家族の状況の把握や負担の軽減をするのも介護職員の役割ですよね。介護うつについて、どんなものかを知ることで、早期発見につなげて欲しい。そんな想いから、介護うつの現状と対策についてまとめてみました。

急増する「介護うつ」とは?

data of worry or stress

上記は、同居している介護者の悩み・ストレスの有無を表したグラフです。男女どちらとも、悩み・ストレスありと答えた人は6割以上。食事や入浴、排泄など、日常生活を送る上で、介護をする瞬間は何度もあり、精神的にも、肉体的にも、大きな負担になっていることが伺えます。

特に介護うつになりやすい人の特徴として、

  • 介護サービスを使わず、毎日つきっきりで介護している
  • 介護をきっかけに仕事を辞めた
  • ひとりっ子等、身近に相談できる人がいない
    • といった状況の人が陥りやすい言われています。

      見逃さないで!周囲がチェックできる“うつ”の症状・サイン

      下記に、代表的な介護うつの症状をいくつか挙げてみました。
      あなたの身近な人にどれ位当てはまるか、チェックしてみましょう。

      1. 集中力がない
      2. 話しかけてもボーっとして、うわの空のことが多い
      3. 趣味や好きなことに興味を示さなくなった
      4. 面倒くさがって外出したがらない
      5. いつもイライラしていて落ち着きがない
      6. 夜中に目が醒める、寝つきが悪い
      7. マイナス思考の発言が多い
      8. 友人や親せきなど、人に会うのを嫌がる

      もし、本人にうつの自覚症状があっても、周囲に悟られないようひとりで抱え込んでしまうことがあります。
      上記のような症状が2週間以上続いていたら、らすぐに心療内科か精神科で診察してもらうことをおすすめします。

      介護うつ体験談 ~認知症の父を介護するAさんの場合~

      アルツハイマー型認知症の父親と暮らしていた女性Aさんは、当時勤めていた仕事も辞め、介護に明け暮れる日々。仲の良かった友人とも疎遠になっている状況でした。
      認知症の症状が進んで、暴れたり、徘徊するようになっていた父親を、やっとの思いでつかまえ、どこに行っていたのか尋ねると、まっすぐとAさんの目をみて「どちらさまですか?」と。認知症になっても、身体はまだまだ元気な父親をこれからずっと介護していくことに絶望したAさんは、ガス栓をひねりました。犬が吠えたので、我に返って慌てて栓を止め、大事には至らなかったということです。
      その後Aさんは、家族と話し合い、辛かった介護うつを乗り越えています。ただ、もしあの時犬が吠えなかったら、最悪の結果になっていた可能性もあるのです。

      出典:http://www.dipex-j.org/dementia/topic/to-be-carer/kattou/681.html

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      介護うつは、治るの?

      介護うつは、医療による治療が可能と言われている病気です。
      現在、主なうつ病治療として、抗不安薬・抗うつ薬といった薬物療法が用いられます
      治療期間は、軽度のうつ病で1~3ヵ月、中等度以上のうつ病では、3ヵ月~1年位とされ、「早期発見」がとても重要と言われています。
      家族や友人が気づいてあげることで、早期発見につながります。
      身近な人の異変には、敏感でありたいものですね。(もちろん、ご自身でのチェックも大切です!)

      “がんばらない介護”を頑張ることで、介護うつ予防になる

      介護する人を広く応援しているがんばらない介護生活では、下記の5原則をすすめています。


      ①一人で介護を背負い込まない
      ②積極的にサービスを利用する
      ③現状を認識し、受容する
      ④介護される側の気持ちを理解し、尊重する
      ⑤出来るだけ楽な介護のやり方を考える
      出典:がんばらない介護生活”5原則”

      介護は頑張ることが美徳、といった雰囲気はまだ残っていますが、頑張っている介護者がつぶれてしまっては、本末転倒。介護する側が肩の力を抜くことで、気持ちの余裕が生まれるのではないでしょうか。“がんばらない介護”のスタンスが普及していくことで、多くの人が救われるのかもしれません。

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