介護コラム

生きる希望もなかった僕が、介護職になったワケ【しみしょ。のイケイケ介護職レビュー】

最近「介護業界は人手不足だ」「人材獲得に力を」という話やニュースを、以前にも増してよく耳に目にするようになりました。それと同時に「過酷な介護現場の実態」とか、ネガティブなニュースも増えた気がします。
良くも悪くも日本の抱える『介護』という社会的課題に、注目が集まっている証拠なのかもしれません。
でもこの風潮、違和感を覚えませんか?
「介護をする人を増やしたいのか、減らしたいのかどっちだよ」

僕はこの雰囲気に違和感を覚え、介護を仕事にすることを決めましたー。

申し遅れました。介護施設で働いて丸4年が経ちました、しみしょ。といいます。
丸4年と書きながら、入社当初、先輩が「ここは1年もったらベテランだから」と話していたのを思い出しました。丸4年経った僕は何なんだろう??
今後は『さまざまな施設や介護現場・団体に突入して、おもしろく・かっこよく・楽しく仕事している人を紹介』していけたらと思っています。
「職場以外の人の話を聞いてみたい!でもシフトでなかなか時間合わないし、腰痛くて疲れてるし、そんな暇ない!」という人のために、記事を寄稿できればと思っております。

「福祉」って、何だ?

今回は記念すべき第1回目ということで、僕の自己紹介をしようと思います。
多分数年後読み返して「キャー!↑↑↑」ってなるんでしょうね。想像しただけでキャー!↑↑↑

色僕がまず「介護や福祉」に興味を持つことになったきっかけは、高校時代にあります。僕は中学~高校生時代、とびっきりのいじめられっ子でした。
「人間が生きる意味」も全くわからず、当然進路なんて思いつくはずもありませんでした。
そんな抜け殻のような僕に、当時の担任が「介護とか福祉はどうや?先生の親父が介護施設やってるから、見学してこい」と投げかけてきたのです。
当時友達もあまりおらず、テレビっ子だった自分にとって、介護のイメージはやっぱり『きつい、きたない、給料安い』。でも先生のコネだし断れないし……。

そうして行った施設見学で待っていたのは、やはり想像していた通りのものでした。何十人もの人のオムツを交換したり、布団を新しくしたり、お風呂に入れたり……大変そうな光景ばかり。
でもそんな時、ミーティングの光景が飛び込んできました。
「○○さんは最近こんなことできるようになってきた」
「○○さんはもっとこんなことができるよ!」
「私たち(職員)がフォローすればもっとできること増えるよ!」
と職員達が議論しているのです。利用者のケアプランについて話し合っていたように思いますが、まさに白熱教室でした。

僕がいじめを受ける中で、強く印象に残った言葉が「お前なんて生きてる価値ない。早く死ね」でした。何度も言われました。机にも教科書にも書かれました。
それとは正反対の、人が生きるために周りの人達が考え議論しあう光景が目の前にありました。
「これ、なんだ?これが福祉?」
何事にも無関心だった自分に、疑問がおりてきました。福祉ってなんなんだろう。もっと福祉のことが知りたい……。
その疑問を解決するためだけに、僕は福祉系の大学に入学しました。

就職活動で出会った「憧れの人」になりたくて

大学に入学して数年経ち、就活の時期がやってきました。
福祉系の大学にいながら僕は当初、介護の仕事をするなんて考えてもいませんでした。だって「福祉」が何か、知りたかっただけですもの。

経営コンサルからIT、アパレルまで、幅広すぎるくらい業界を問わず活動してました。せっかく色んな業界を見るなら、せっかくだし「介護」も……くらいのモチベーションで、ある日介護会社の説明会に行きました。それが、今の会社です。
その当時の人事担当は介護会社に勤める傍ら、カンボジアに学校を建てるNPO法人の代表をしている人でした。
こんな大人になりたいと色々調べるうちに、社会問題を解決する仕事=ソーシャルビジネスの考え方と出会いました。

確かに日本の「介護」も社会問題です。高齢化だけがメインテーマのようだけれど、介護が必要な人が増えれば、介護をする人も足りなくなってくる問題もあるのでは?
仕事であれ、ボランティアであれ、趣味であれ、本であれ……介護に関わる人を増やそうと思い、僕は介護会社に入社しました。
介護はシフト制で早番がある為、朝が苦手な僕は大変苦労しました。しかしそれ以外は、特にしんどいとか辛いって思ったことはないです。
もう少し給料が……とか思っても、それだけ自分が行動すればいいと思っています。

「福祉って、何だ?」その答えは……

「なんでそんな楽しそうに働けるの?」ってよく聞かれますが、それは利用者さんと「一緒に暮らしている」ことを念頭に置いているからかもしれません。
相手にとっては馴れ馴れしい表現かもしれませんが、この意識があるからこそ、自分にも相手にも無理のないように働けているのかも。
がんによって身体機能が低下して何も食べられなくなった、常に酸素吸入器をつけている人から、「花が見たい」と言われたことがありました。
だから僕は家族と看護師に無理を言って、利用者さんと一緒にアジサイを見に行きました。

介護の仕事を始めて一番良かったことは、人の死にざまを見つめることで、自分の人生を見つめられること(=メメントモリ)です。
死や終わりがあるから、生きがいややりがいが生まれるのだと、たくさんの人生の死にざまから教わりました。こんな貴重な経験は、他の仕事では絶対できないと思っています。

そんなこんなで介護の仕事を始めて早いようで長いような4年が経ちましたが、いまだに「フクシってなに?」と聞かれても、正直自信を持って「○○が福祉だ!」とは言えません。
これからも自分なりの納得した答えを見つけるために、行動してゆきます。

長くなってしまいましたが、これにて記念すべき第1回を終えたいと思います。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。
今後は現場で学んだ大切だと思うことや、現場を楽しんでいる人などをシェアできればと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

ABOUT ME
しみしょ。
福井県生まれ福井県育ち。関西の大学で福祉を学び、さまざまな社会問題を解決するために働くと決心。最新の社会問題、働き方を知るため、関東は埼玉へ。介護・福祉に興味関心を持つ人を増やす為、介護現場で働きながら絶賛活動中。趣味は、散歩(とか言って急に北海道や九州に行ったりする)、ゲーム、ニコニコ動画等、アウトドアとインドアを行ったり来たり。犬とフクロウとサルと一緒に暮らすのがひそかな野望。