介護の転職

離職率が高い介護施設を見分ける、8つのポイント

介護職員は離職率が高いと言われています。人手不足の職場で、利用者さんに行き届いたケアを提供するのは、現実的に困難ですよね。今回は、介護職の皆さんのお仕事探しに役立つよう、離職率が高い職場を入職前に見分けるポイントをご紹介致します!

介護職員の離職率、実態は

介護職員の離職率が実態としてどの程度の数値になっているのか、まずは厚生労働省のデータを見てみましょう。

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訪問介護員は常勤職員の離職率が高く、介護施設等の介護職員は、非常勤職員の離職率が高くなっています。介護業界以外の離職率と比べてみると、下記の通り。

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介護職員の離職率は、全産業と比べるとやや高い水準ですが、決して飛びぬけて高いわけではないのですね。ですが、その一方で現場では…
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このように、「人手不足」と感じている事業所が年々増加傾向にあり、訪問介護員と施設等の介護職員を合わせると、6割以上の事業所が不足感を感じているという結果に。

参考・出典:介護人材の確保について(PDF:1850KB)‐厚生労働省

離職率の高さが深刻な職場には、人間関係の悪さや待遇の悪さ等、何かしら必ず理由があるものです。入職してから「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、求人を探す段階から、離職率が高い職場を見分ける「目」を養いたいですね。

離職率が高い職場の見分け方

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介護職員の皆さんに、離職率が高い職場を入職前に見分けて頂くために、注目したい8つのポイントをまとめてみました。(必ずしも全ての施設・事業所に当てはまるとは限りません。参考情報としてご活用下さい)

離職率が高い職場を見分ける、8つのポイント
求人を探す時
□ 職員数に対して採用人数が多すぎないか
□ 絶えず求人募集を出していないか
□ 周辺の事業所と比べて、給与が高すぎないか
□ 年間休日数が少なくないか
面接・見学の時
□ 職員間の笑顔・コミュニケーションは活発か
□ 面接が短時間であっさり終わりすぎないか
□ 清潔感の無さ・汚物臭が気にならないか
□ 施設長・管理者・リーダーが信頼できそうか

続いて、それぞれの項目について解説します。

職員数に対して採用人数が多すぎないか

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例えば現在の職員が50人の介護施設・事業所が、10人の職員を採用予定にしている場合など。一定数の退職者が出ることを予想して、大量採用をしている可能性があります。ただし、新規立ち上げメンバーの募集等、正当な理由があって大量採用をしている場合も。転職支援サービスに登録している場合は、募集背景を担当コンサルタントから確認してもらうと安心です。

絶えず求人募集を出していないか

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ハローワークや求人サイト等で求人を探す時、「この求人、よく見るな…」「この間掲載終了したばかりなのに、また再開してる」と思ったことはありませんか? 中には採用基準が厳しく、人材を厳選している可能性もありますが、待遇の悪さか人間関係の悪さか、離職率が高く、採用活動に苦戦している場合が多いです。

周辺の事業所と比べて、給与が高すぎないか

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近隣事業所の同じ職種の求人と比べてみて、給与が高すぎる場合も注意が必要です。残業時間の多さや人間関係の悪さ等から、こちらも予め退職者が出ることを見越して、高給与を提示して人を集めようとしている可能性もあります。

年間休日数が少なくないか

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週や月の休日数に比べてイメージしにくいですが、年間休日数こそ休日の多さを知る大切な基準。厚生労働省の調査では、医療・福祉分野の年間休日数の平均は109.2日。介護職の求人を探す時は、年間休日110日を1つの目安にすると良いでしょう。(「年間休日」は一般的に有給休暇を含みません)

参考:厚生労働省「平成26年就労条件総合調査結果の概況」

職員間の笑顔・コミュニケーションは活発か

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利用者さんやご家族、見学者などの「お客様」に明るく声掛けをしていても、職員間ではどうでしょうか? 会話や笑顔が乏しく、慌ただしく走り回る、職員間だけでなく利用者さんにもキツい口調で話している… このような職場は、人手不足が深刻で余裕がなく、職員も利用者も大事にしない・できない環境かもしれません。

面接が短時間であっさり終わりすぎないか

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簡単な質問を2、3点しただけで即内定。「いつから来られる?」と聞かれたことはありませんか? とにかく人手が欲しい状態で、人材を十分に吟味していない(する余裕がない)可能性も。労働条件や福利厚生の説明が全くなかったり、質問しても曖昧にされたりする場合も要注意。そうした面接ではミスマッチが起きやすく、離職率がさらに高まる悪循環も起きそうです。

清潔感の無さ・汚物臭が気にならないか

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玄関にスリッパが散乱している、詰め所が物で雑然としている、廊下にゴミが落ちている、オムツや排泄物の臭いが充満している等。そうした状況を放置しているということは、人手不足で気づけない状態・見て見ぬフリが常態化している懸念も。物品管理が乱雑だど、ヒヤリハットや事故につながる恐れもあるため、特に注意が必要。

施設長・管理者・リーダーは信頼できそうか

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見学や面接は、自然と施設長やリーダーと話せるので、上司になる方の人となりを知る数少ないチャンス。見学者や利用者に対して丁寧に接していても、職員に対する言葉遣いや態度はどうでしょうか? 職員が助けを求めても事務所に引っ込んだままであったり、職員によって態度を変えていたりしないか、注意深く観察を。

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